ガクチカと自己PRの違いとは?|内容がかぶる原因や同じネタの例文を解説

就活において必ず聞かれる「ガクチカ」と「自己PR」。
似たような質問に感じるものの、実はこの2つには明確な違いがあります。
しかし、それを理解せずに書いてしまうと、内容がかぶってしまい「同じことを2回言っている」と評価されかねません。
この記事では、ガクチカと自己PRの違いや内容がかぶる原因、そして同じネタを使う場合の例文まで詳しく解説します。
- ガクチカと自己PRの違いがわからず悩んでいる就活生
- ガクチカと自己PRの答えが被ってしまい困った経験がある就活生
- 自己PRとガクチカのどちらに何を書けばいいか分からない就活生


ガクチカと自己PRの違いとは?
ガクチカと自己PRは、就活において目的も内容も異なる質問です。
似たようなエピソードでも評価される観点が違うため、それぞれに合った構成と書き方が求められます。
目的の違い
- ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)は、「学生時代にどのような経験をし、それにどう向き合ったか」を通して、人柄や思考の過程を見ています。
- 一方で自己PRは、「自分の強みが何で、それを企業でどう活かせるか」という観点で評価されます。
つまり、ガクチカは過去の経験重視、自己PRは現在の強みと未来の活躍を重視する質問です。
内容の違い
たとえば同じ「アルバイトリーダー経験」でも、
- ガクチカなら「チームで売上を上げるために工夫したプロセス」
- 自己PRなら「自分の強み(調整力・行動力など)を使ってどう成果を出したか」
というように、着目点を変えることが重要です。
回答時の構成の違い
構成にも明確な違いがあります。以下にそれぞれの基本構成を紹介します。
ガクチカの構成
- 結論(何に力を入れたか)
- 背景(なぜそれに取り組んだか)
- 工夫・努力したこと
- 結果や学び
ガクチカでは「何をどう頑張ったか」というプロセス重視の構成が基本です。
自己PRの構成
- 結論(自分の強み)
- 強みを示すエピソード
- 強みの活かし方(入社後の活躍イメージ)
自己PRは、強みの証明と応用力を伝える構成になっています。
ガクチカと自己PRの内容が被る原因
ガクチカと自己PRの内容がかぶってしまう原因は、エピソードの選び方や質問意図の理解不足など、就活生によくある複数のパターンが関係しています。
以下で、具体的な理由を見ていきましょう。
エピソードの数が少ないから
たとえば、「部活・サークル・アルバイト」の3つしか思い浮かばない場合、そのうち1つを複数の場面で使うしかありません。
特に「アルバイトしか頑張った記憶がない」という就活生は多く、自己PRもガクチカも「バイトの話」になってしまうのはよくあるケースです。
このような状況では、視点の切り替えを意識しないと、どちらの回答も同じような話に聞こえてしまいます。
目的の違いを理解していないから
たとえば、「コンビニバイトでリーダーを任された経験」を語る際、本来は
- ガクチカでは「どんな課題があり、どう工夫して乗り越えたか」
- 自己PRでは「その経験から得た自分の強みは何か」
という形で分けて語るべきです。
しかし違いを意識せずに「頑張ったこと」をただ紹介してしまうと、どちらの回答も「リーダーとして工夫しました」という似たような中身になってしまいます。
一貫性を出そうとするから
「就活では一貫性が大事」と言われ、あえて同じエピソードでそろえる人もいます。
たとえば、どちらも「バイトの話」で「コミュニケーション力を鍛えた」という主張をすると、面接官からは「どちらも同じに見える」と受け取られてしまいます。
一貫性を出すなら、異なる質問意図に合わせて見せ方を変えることが必要です。
書き出す視点が経験に偏るから
たとえば、
- 「私はコンビニでバイトリーダーをしていました。そこでは〜」
- 「私が学生時代に力を入れたのは、コンビニのバイトリーダーです〜」
といった書き出しでは、どちらも同じ経験を紹介する流れになりやすく、違いが見えにくくなってしまいます。
これを防ぐには、
- 自己PRは「私の強みは〇〇です」
- ガクチカは「私が学生時代に力を入れたのは〇〇です」
のように、目的に合った視点(強み or 経験)から書き始めることが重要です。
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ガクチカと自己PRの両方聞かれる理由
就職活動の面接では、ほぼ必ず「ガクチカ」と「自己PR」の両方が聞かれます。
「内容が似ているのに、なぜ両方聞かれるのか」と疑問に思う方も多いですが、企業にはそれぞれを聞く明確な理由があります。
以下で具体的に見ていきましょう。
視点に違いがあるため
たとえば、同じアルバイト経験を話していても、
- ガクチカでは「チームで協力して売上を上げるためにどんな工夫をしたか」
- 自己PRでは「その中で発揮した自分の強み(行動力・調整力など)」
というように、企業は同じネタでも違う角度から見ることで、より多面的な人物像を把握したいと考えています。
一貫性があるかどうかを確かめるため
たとえば、
- ガクチカでは「困難な状況でも粘り強く取り組んだ」と言っていたのに
- 自己PRでは「効率的に仕事を終わらせるのが得意」と話していた場合
このように軸がズレていると、「この人の価値観は何なのか」が伝わりづらくなります。
逆に、ガクチカと自己PRで共通する価値観(例:責任感、挑戦心)が伝わると、評価が上がる傾向にあります。
入社後の活躍をイメージするため
- ガクチカでは、「これまでどのように努力して成果を出してきたか」から行動特性やスタンス
- 自己PRでは、「その強みがどう仕事に活かせそうか」という再現性や汎用性
を見ています。
たとえば、ゼミ活動での「論理的に物事をまとめる力」をガクチカで語った上で、自己PRでも「その力を活かして資料作成や情報整理で貢献したい」と述べられると、入社後の活躍イメージが明確になります。
深掘りでの対応力を見るため
たとえば、
- 「そのとき、どんな工夫をしましたか?」
- 「メンバーと対立した際、どうやって乗り越えましたか?」
など、深掘りの質問にどれだけ的確に答えられるかを見ることで、コミュニケーション能力や論理的思考力をチェックしています。
しっかり準備していないと「さっきと言ってることが違う」と評価を下げてしまう可能性もあるため、両方を問うのです。
【例文あり】同じネタでガクチカと自己PRを書く場合の参考例
ここでは、同じエピソード(アルバイト・学業)を使って、ガクチカと自己PRをそれぞれ書き分けた例を紹介します。
アルバイトを使ったガクチカと自己PRの例文
<ガクチカの例文>
私が学生時代に力を入れたのは、飲食店のアルバイトでの接客業務です。常連客が少ないことが課題だったため、私はチームでお客様満足度向上のためのサービス改善を提案しました。具体的には、来店時の声かけやアンケートの導入を行い、店舗の改善点を洗い出しました。その結果、常連客が月20人以上増加し、売上も前年比110%を記録しました。主体的に課題を見つけ、行動に移す力を身につけました。
このガクチカでは「課題発見から行動までのプロセス」に焦点を当て、主体性や協働姿勢を伝えています。
結果も述べていますが、あくまで努力の過程が中心です。
<自己PRの例文>
私の強みは「課題に気づき、自ら改善策を提案・実行する力」です。飲食店でのアルバイト時、お客様がリピートしない理由を分析し、満足度向上のためのアンケートやサービス改善案を提案しました。結果的に常連客の来店が増加し、売上にも貢献しました。この強みを活かし、入社後も顧客視点を大切にした改善提案を行いたいと考えています。
自己PRでは経験を通して得た「強み」に重点を置き、それを企業でどう活かせるかまで明確に示しています。
再現性のあるアピールがポイントです。
学業経験を使ったガクチカと自己PRの例文
<ガクチカの例文>
私はゼミ活動での研究発表に力を入れました。初めての発表準備では意見がまとまらず、方向性も曖昧なまま進行していました。私は中心となってディスカッションの場を設け、意見の整理と構成案の立案を行いました。その結果、発表内容に一貫性が生まれ、評価も高いものとなりました。
この例文では「課題を整理し、チームを導いた過程」に重点を置いており、リーダーシップや問題解決力をアピールしています。
<自己PRの例文>
私の強みは「論理的に物事を整理し、構造化する力」です。ゼミの研究発表では、混乱した意見を整理し、全体を論理的にまとめることで、グループを導きました。この力を活かし、企業でも課題整理や資料作成などの場面で貢献できると考えています。
自己PRでは、強みとしての「論理的思考力」を明示し、それがどのような場面で役立ったか、さらに入社後にもどう活かせるかを伝えています。
まとめ
ガクチカと自己PRは、似ているようで実は目的も評価ポイントも大きく異なります。
同じネタを使う場合でも、目的や視点を切り替えることで、しっかりと差別化された内容に仕上げることが可能です。
重要なのは「何を伝える質問なのか」を理解し、それに沿って経験や強みを適切に伝えることです。
就活では両方が問われることが多いため、それぞれの役割を意識して準備しておきましょう。
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